Webシステムやスマホアプリの開発現場において、リリース前のテストフェーズで悩むことはありませんか?いざテストを実施しようとしても要員が確保できず、開発を担当したプログラマーがテストをすることはありませんか?このような問題を解決するため、いま多くの開発現場ではテストの自動化が積極的に導入されています。テストを自動化するにあたっては、これまで手動メインでテストを担当していた方には少し戸惑いがあるかもしれません。なぜテストを自動化する流れが主流になりつつあるのか、自動化することで生まれる5つのメリットとあわせて解説します。


なぜテストの自動化を急ぐのか

テスト自動化は開発支援ツールのひとつとして位置づけられ、画面を見ながら手動で行ってきたシステムテストをツールにより自動化できるようになりました。あらかじめ設計したテストパターンを自動化ツールに記録することで、テストの実行から採点結果までを行います。それだけでなく画面キャプチャを取得したレポート作成や分析など、一連のテスト工程を幅広くカバー。ソフトウェアテストの効率アップや検証範囲の拡大、コスト削減だけでなく工数の短縮などを目的とした取り組みとして急速に導入が進んでいます。

これまでの手動によるテストには、いくつもの課題がありました。テスト設計から手順に落とし込んで依頼をしてもテスターによってテスト結果が変わったり、予定の工数で収まらないケースも。テスト手順による解釈の違いで意図しないテストを実施することや、長時間によるテスト対応で結果パフォーマンスが低下することも懸念材料でした。

少数精鋭の開発メンバーであれば、プログラマーが自分の書いたコードをテストするケースも少なくありません。自分が書いたプログラムを自分で評価をすると、どうしても不具合が発生しないテストになってしまう傾向が出てきてしまいます。本来担当すべきテスターが不在の状況は、第三者の目線を持って客観的に評価できない状況ともいえるでしょう。

最近のWeb開発においては、マルチデバイス対応やコンテナを利用したマイクロサービスなどによりテスト設計は複雑になる一方です。さらに短いサイクルでリリースされることが多く、同時にスピード感も求められるようになりました。それによりシステム全体を網羅的に確認する「E2Eテスト」が求められる時代が到来しました。テスター要員の確保、客観的かつ確実なチェック体制、テストスピードといった課題を解決に導くには、積極的なテスト自動化ツールの導入が急務といえます。

導入すべき5つのメリット

このようにテスト自動化ツールの導入を急ぐ理由には、問題解決といった観点で有益であることがわかります。さらに導入することで生まれるメリットがあるのも、導入が加速している要因のひとつです。導入後に享受できるメリットについて、主な5つの事項について解説します。

①不具合(バグ)の早期発見による信頼性の向上

バグを早期発見することはとても重要であり、すぐに不具合を修正して素早いアップデート対応が求められます。テスト工程が後手に回ってしまうと、ユーザーの利便性を低下させてしまう可能性も少なくありません。

自動化ツールを実行するにはあらゆるテストパターンを設計して、事前に自動化ツールへの記録作業が必要です。これまでの経験値をもとにした手動でのランダムテストは自動化に向いていないため、これまで以上にテスト設計がより重要な作業となります。

自動化テストなら正確かつ何度も繰り返し実行しやすくなり、リリース後の不具合を最小限に留められます。不具合が理由でユーザーからの信用を失うことは大きな損失であり、未然に防ぐことは信頼性を担保することにもつながるでしょう。

②リリースごとのリグレッションテストが容易に

不具合による修正対応だけでなく、仕様変更や機能追加により迅速なリリースを求められるケースが少なくありません。その度に発生するリグレッションテストはタイトなスジュール

になりがちですが、テスト自動化ツールを活用することでリグレッションテストの実施は容易になります。

例えばマイクロサービスで構築されたWebシステムなどは、1日に何度もリリースすることは珍しくありません。その度に発生するリグレッションテストを自動化することで、同じテストを何度も繰り返しても作業コストは抑えた状態を保てます。

ただし品質の向上という観点では、あくまでもテスト結果を元に分析・評価しなければなりません。ツールによってはレポート機能が備わっているので、レポートからテスト設計の見直しやUIの改善などにも活用するスキルを身につけましょう。

③テスター要員のアサインが調整しやすい

テスト自動化ツールによっては、ノーコードでテストプログラムを記録できます。GUI操作でテストパターンを作成できるので、扱いやすく導入ハードルが低いことも自動化ツールの特徴です。

プログラマー以外の担当者でもテストに参加できるので、個々のスキル差にとらわれずメンバー調整がしやすいといった利点も生まれます。そのためプログラマーはテストに参加することなく、本来の開発業務に専念できるといったメリットもあるでしょう。

一方でテスト自動化ツールそのものを保守・運用する必要があり、導入する敷居は低くても記録作業や実行結果、レポート分析などツールの仕様を理解する必要があります。テスト自体は簡単になっても、テストエンジニアとしての知識や経験はこれまで以上に重要です。

④ひとつのテストパターンでクロスブラウザ検証が可能

ブラウザやデバイスが多様化しているWebの環境においては、クロスブラウザでの確認は重要なテスト工程のひとつです。クロスブラウザ検証の実施により特定のブラウザや環境依存による不具合を事前に解消でき、より多くのユーザーに公平かつスムーズなサービスの提供を可能にします。

手動テストであればブラウザごとに同じテストを実施する必要はありますが、自動化することで同じテストプログラムの実施・確認が可能です。正確なテストを繰り返し実行でき、特定のブラウザのみに発生する不具合や問題点の発見にも貢献します。

繰り返し同じテストを正確に実行できる反面、操作性やUIなどのユーザー目線評価は依然として手動でのテストが向いているといえます。バグによる修正作業なのか、改善によるリリースなのか、状況にあわせた自動テストが最も効率的といえるでしょう。

⑤テストに関するコストダウンを実現

開発段階でのトラブルや影響でテスト期間が短縮されてしまうと、短期間でテストを消化しなければなりません。バグが大量に見つかればテスト工数も比例して増え、テスターの増員を検討するなど状況が日々変化することも珍しくありません。

このような場面でテスト自動化ツールを導入すれば、あらゆるコストの削減を可能にします。テスターの確保や時間外作業といった人件費コストはもちろんのこと、テスト手法やノウハウといった学習コストも抑えることにも貢献します。自動化ツールの使い方をメンバー内で共有すれば、テスト担当者以外でも対応が可能です。

あらゆる角度でコストダウンを図れますが、テスト自動化ツールの導入コストは必要なので数少ないデメリットになるかもしれません。しかし総合的にみれば相殺されて結果コストダウンを実現できるので、ツールの選定には十分な検討が必要です。システムテストの要件に見合っているかを見極めた上で導入すれば、テスト自動化ツールの恩恵を最大限に受けられるでしょう。

まずはテスト自動化ツールを導入してメリットを享受する

テスト自動化ツールを導入することで、享受できるメリットは多岐にわたります。依然として手動テストがメインのテストやQAチームにとっては、自動化ツールの導入は少しハードルが高い印象かもしれません。自動化ツール自体の開発やテストが必要になれば、結果的に工数が膨れ上がることが懸念されます。しかしノーコードでテストシナリオが作成できるテスト自動化ツールのAutifyなら、そのような心配は必要ありません。14日間の無料トライアルも用意されていますので、まずは導入して自動化のメリットを体験してみましょう。
 
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